第1回助成事業 助成団体へのインタビュー。活動に対する想いをお聞きしました。(しらゆり会)

しらゆり会 概要


【主な活動地域】
長野県佐久市春日(会場:御鹿の郷地域ふれあいセンター
 長野県佐久市春日2714-1
【開催日時・活動内容】
毎月第2日曜日 12時~14時
【お話をお聞きした人】
小井出由美さん(
しらゆり会 代表)

地域によりそう居場所づくり

長野県佐久市春日。中山道の宿場町・望月宿もほど近く、開湯300年以上の歴史をもつ春日温泉がある、山あいの歴史ある地域です。
この春日地区の公民館「御鹿の郷」で、月に1回子ども食堂が開かれています。

会場の「御鹿の郷」

広間にずらりと並んだ長机を囲むのは、近所のおじいちゃんやおばあちゃん、そして子ども連れの家族たち。
「ここに来るとね、誰かしらいるんです」そう教えてくれたのは、近所に住むおばあちゃん。ここでの食事がちょっとした楽しみになっているそうです。その言葉からも、この場所が地域の居場所になっていることが伝わってきました。

ごはんを囲みながら、あちこちでご近所トークが弾みます。

食事のあとは、みんなお楽しみのレクリエーションの時間。懐かしい歌を一緒に口ずさんだり、手遊びを楽しんだりという場面もあり、自然と心がほぐれるひとときでした。
子どもも大人も、高齢の方も、同じ空間で笑い合う時間。そんな温もりのある居場所として、地域に根付いていることを実感しました。

この日は腹話術と手品が披露され、会場には驚きと笑い声が広がりました。

高齢者の孤立を防ぐ、月1回の交流の場

子ども食堂終了後、代表の小井出さんにお話をお聞きしました。

――まずは、活動を開始した経緯についてお話を聞かせてください。

小井出さん:シニア大学での学びがきっかけです。“地域活動”という学習があって、居場所づくりをテーマにした講座に参加しました。
子ども食堂や地域食堂など、誰でも参加できる場を実際に見て、「こういうことを自分でもやってみたいな」と思ったのが始まりですね。このあたりは過疎化も進んでいるので、「何か地域を元気にできることができたら」という思いもありました。
そういった背景もあり、来てくださるのは年配の方が多いですね。本当は、もっと子どもにも来てほしいという気持ちがありますが(笑)。

小井出さん:そうですね、田舎なので、「出かける場所がないから外に出ない」なんて人もいて。
ご近所さんでも、何年も合っていないなんて話もよく聞くんです。こういうイベントがあると、楽しみにしてくれていたり、ここに来れば誰かに会える、そういう場所が月1回でもあればちょっといいのかな、と思っています。
あとは、活動を続ける中で感じたのは、「ただ食事をするだけでは、どうしても会話が少なくなってしまう」ということ。そこで取り入れたのが、レクリエーションでした。
手品を披露してくれる人や、バンドをやっている人など、いろいろな方々をお招きしています。披露したい!という方が結構いらっしゃって、皆さんボランティアで来てくれるんです。

小井出さん:「毎回楽しみにしているよ」って言ってもらえると、本当に嬉しくて。そういう言葉が、私たちの張り合いになっています。
口コミで広がり、「聞いて来たよ」という声も増えてきました。少しずつ、参加者同士の横のつながりができている実感もありますね。

多世代がつながる場を、これからも

小井出さん:施設自体が古くて、調理器具も使えないものが多かったんです。包丁やまな板も揃えなきゃいけないけれど、全部自己負担だと大変で…。
ネットでいろいろ調べて、助成を知り、申し込みました。助成を受けられて、本当に助かりました。活動を続けていける、という安心感がありましたね。

小井出さん:少しでも地域を活性化できればと思っています。このあたり、やっぱり不便なので…。
若い世代が出て行ってしまって、子どもの数も少ないんです。限界集落のようになってしまっているのが、やっぱり寂しくて。
大きなことはできないけれど、ここに住んでいる人たちにとって「こういう楽しみがある」「ここに来ると良いことがある」…その一つになれたらいいなと思っています。


おわりに

「子ども食堂以外の形でも、地域に貢献できることを考えていきたいですね」と語る小井出さん。
若い世代が地域を離れ、子どもの数が減っていく現状に寂しさを感じながらも、それでも、この場所でできることを続けていきたい。そんな想いが、穏やかな言葉の端々から伝わってきました。
地域の課題に向き合いながら、できることを一つずつ積み重ねていく。その取組みが、この子ども食堂を地域にとって必要な居場所として支えています。
サンクゼール財団では、こうした人と人とのつながりを育む活動を支援するべく、今後も活動してまいります。