第1回助成事業 助成団体へのインタビュー。活動に対する想いをお聞きしました。(子どもカフェ「カランコエ」)
こんにちは、サンクゼール財団です。
2026年1月14日に、第1回助成団体の一つ子どもカフェ「カランコエ」(長野県上伊那郡辰野町、以下「カランコエ」)を訪問しました。
子どもたちの学習支援や子ども食堂のほか、季節イベントなど多彩な活動を展開している団体です。今回は、代表の堀内さんに、地域の子育て環境の課題と向き合う姿勢、活動を続けるうえでの工夫、そして助成金の活用状況について伺いました。
子どもカフェ「カランコエ」 概要

【会場】
長野県上伊那郡辰野町伊那富2841)
【開催日時・活動内容】
定期開催(平日毎週水曜日):PM15:00~17:00 学習支援・おやつ・遊び支援
定期開催(休日月1回):PM12:30~16:30 学習支援・昼食・遊び支援
臨時開催(長期休暇中):PM12:30~17:00 学習支援・昼食・遊び支援・おやつ
イベント類:春祭り、秋祭り、子育てフェス、クリスマス会など
その他:お弁当配布、食材配布、日用品・学用品配布、各種悩み相談など
【お話をお聞きした人】
堀内洋子さん(子どもカフェ「カランコエ」代表)
「地域で子どもを育てる」という想い
長野県上伊那郡辰野町。ホタルの名所として有名な、自然豊かな町です。
この町の市街地にあるカランコエでは、放課後の学習支援や居場所づくりを中心に、子ども食堂や季節ごとのお祭りなど、多彩な活動を展開しています。

事務局が訪問したのは、ちょうど放課後の時間。学校帰りの子どもたちがボランティアスタッフの方に宿題を見てもらっていました。
ここでは、「宿題を終えてから遊ぶ」のがルール。保護者からは「宿題の面倒までみてくれるから助かる」との声が多いといいます。

遊びたい気持ちをグッとこらえて、机に向かいます

みんな遊びに夢中です
代表の堀内さんは、地域で子どもを支える居場所がどれほど大切なのかを教えてくれました。
「今は共働きが当たり前の時代です。女性も社会で活躍できるようになった一方で『では子どもは誰が見るのか』と考えたときに、親だけがその責任を負うべきだとは思いません。子どもは社会の宝ですから、地域で、手を差し伸べられる人が支えればいいんじゃないかな」
堀内さんの言葉は、地域に必要とされる居場所づくりの意義を改めて教えてくれるものでした。
カランコエが生まれた理由
活動終了後、代表の堀内さんにお話をお聞きしました。
――本日はありがとうございました。まず、活動を始めたきっかけを教えてください。
堀内さん:私はもともと看護専門学校で教員をしていました。定年を迎えたとき、「これからも人の役に立つことをしたい」と思い、まずは社会課題になっていた介護の人手不足を支えるため、人材育成に取り組みました。
しかし受講生が少なくなっていき、そのころから子どもを取り巻く問題が気がかりになっていきました。いじめやヤングケアラーの問題や、離婚率の増加などですね。
追い打ちをかけるように新型コロナウイルスが流行し、町から子どもの声が消えてしまいました。学校行事もなくなり、家にこもる毎日。「成長期の子どもたちが何も経験できずにいて大丈夫なのだろうか」と強い不安を覚えました。
親御さんもきっと困っていたと思いますが、家庭だけで解決するのは難しい。だからこそ、「私にできることを何かしたい」と思ったことが、活動を始めたきっかけでした。
――そうして、「学校以外の子どもが安心できる居場所づくり」が始まったのですね。
堀内さん:「子どもたちを楽しませるには、どうしたらいいか?」を考えながら活動しています。
立ち上げ当初は週に1回くらいから始めて、だんだんお祭りをやったりと、活動の幅を広げていきました。活動を続ける中で、子どもたちから現状が見えてきました。「カップラーメンを食べて過ごしていた」とか、「子どもだけで留守番するとき、ごはんをお菓子で済ませちゃった」とか…。そういう話を聞くようになったんです。
これは何とかしてあげたいと思って、弁当配布、食材支援なども始めました。

――今は学校行事も元に戻りつつあるかと思います。引き続き居場所は必要だと感じていますか?
堀内さん:そうですね、コロナ禍じゃなくても必要だと思います。子どもの様子を見ていると、やっていて良かったと思うことがよくあります。活動を始めたきっかけはコロナ禍でしたが、結果としては今の社会に必要なものだと感じています。
地域の子どもに、できる限りのことを
――助成金で綿あめ機を購入されたそうですが、活躍していますか?
堀内さん:本当に快適で助かっています。子どもたちはやっぱり綿あめが好きなので。お祭りで綿あめがあると、すっごく喜ぶんです。
今まではレンタルしてお祭りで使っていたので、費用もかかるし手間もかかっていました。
購入したものはちょうど良い大きさで、すごく使い勝手が良い。綿が変なところへ飛んで行かないし、大きい綿あめが作れるんですよ。
これからのイベントに、一年中使わせていただきます。

秋祭りで早速大活躍したそうです!
――2024年度の収支資料を拝見すると、自己負担がありながらの活動となっています。やはり、資金面の課題も大きいのでしょうか。
堀内さん:金銭面がね、一番大変。昨年度もけっこうな赤字で…。老後なのにどうしようって思いながらやっています(笑)。
市の委託事業になってはいますが、全然賄えないのが現状です。
金銭面がクリアできたとしても、人集めも課題です。ボランティアを募集してもなかなか集まらないですし、定着しない。そういった悩みもありますね。
――自己負担をしてでも、子どもたちのために活動していきたいという想いで動かれているのですね。
堀内さん:そうですね。子どもにはなるべく良いものを食べさせてあげたい、と思うんです。
例えばいちごとか…。高いんですけど、自分は食べなくてもいいから、子どもたちには食べさせてあげたい。
おわりに
堀内さんは、これからの願いも話してくれました。
「もっともっと地域に浸透して、気軽に来られる場所になったらいいかな。子ども食堂は、貧しい家庭だけが来る場所…そう思っている親御さんもいるんです。でも、本当はそうじゃない。誰でも来ていい場所なんです。その認識がもっと地域に広がって、子どもが『行きたい』って思ったら、親も『行っておいで』と言えるようになってほしいですね。」
活動には、資金や人材といった、さまざまな課題がつきまといます。
それでも堀内さんは自らの負担を厭わず、子どもが安心して過ごせる居場所づくりに力を注いでいます。
地域みんなで子どもを育て、支えあう環境をつくること。カランコエの活動は、その実現に向けた確かな一歩となっていました。
サンクゼール財団は、地域の居場所を育む取り組みを応援するため、これからも活動してまいります。

