日本で難民を支援すること(認定NPO法人 難民支援協会様)
こんにちは、サンクゼール財団です。
サンクゼール財団は「すべての人に、愛と喜びのある食卓を。すべての人に、温かい光を」という想いのもと、活動しています。
この「すべての人」には、難民の方々も含まれており、支援の手を差し伸べたいと考えています。
「難民」という存在は、どこか遠いもの…と感じる方も多いのではないでしょうか。日本において、難民に対する適切な理解の浸透は、まだまだ途上段階だと感じます。
そこでサンクゼール財団では難民について理解を深めるべく、国内を中心に難民の支援活動を行う、認定NPO法人 難民支援協会様(以下、敬称略)をお招きし、世界や国内の難民の状況や取り組みについてご講演いただきました。

難民支援協会の取り組みについて
難民支援協会では、迫害や紛争等、様々な理由で日本に逃れられてきた方々に対する支援に取り組んでいます。
難民一人ひとりの事情や歩んできた人生に寄り添い、法的支援、生活支援、定住支援、政府や国会への提言や広報活動を行っています。
一方で、日本における難民の受け入れには多くの課題が存在します。特に深刻な2つの課題と、難民支援協会が取り組む食料支援についてお話いただきました。
課題① 難民認定の厳しさ
難民認定とは、入国した外国人が、難民条約に基づく保護を受けられるかどうかを判断する手続きのこと。難民認定が下りれば、定住者として在留資格が付与され、故郷へ送り返されることなく安心して日本で暮らすことができるようになります。
2023年のデータによると、日本の難民認定率は3.8%。これは、イギリスの61.5%、カナダ68.4%、アメリカの58.5%等と比較すると、非常に低い認定率となっています。難民認定基準が厳しく、祖国で迫害を受けていた事を証明する資料があっても却下されてしまう事が多いのが現状です。
なぜ、難民認定率が低い日本に逃げてきたのか?と思われるかもしれません。日本に来ることになった理由は様々ですが、難民支援協会によると「選択の余地なく、最短でビザが降りたのがたまたま日本だったから」というケースが多いようです。
課題② 難民申請中の暮らし
日本では難民認定を受けるまでに平均約3年を要します。その期間をどう生き抜くかも大きな課題となっています。
非正規滞在者として収容される人もおり、場合によっては命の危険のある祖国に送還されてしまう恐怖を常に抱えつつ、不安定な日々を過ごす人もいるのです。
日本で暮らすためのサポートはもちろん、最低限の衣食住もままならず、ホームレス状態になってしまう方もいます。 難民支援協会では、難民申請に関するサポートの他、住居・医療を始めとした生活支援に取り組んでいます。
食料支援
中には「今日食べるものがない」という、非常に差し迫った状況にある方もいらっしゃいます。難民支援協会ではそのような方に向けて、食料の配送・事務所での食料配布やランチの提供を行っています。
様々な宗教や、文化的背景を持つ方への配慮はもちろん、健康面にも配慮した食料の手配を行っています。また、故郷の食料を購入して支援を行うこともあります。

まとめ
「難民」というと主語が大きく、あまりリアルに感じられない存在かもしれません。しかし、その一人ひとりには歩んできた人生があり、培った経験やスキル、個性があります。個人に寄り添い、サポートしていく、難民支援協会の活動を学びました。
「”今日”を生き抜くための食」はもちろん、「食を通じた喜び」や「将来を生きるための健康」にも配慮した活動は、サンクゼール財団にとって非常に参考になるお話でした。
サンクゼール財団では、引き続き「すべての人に、愛と喜びのある食卓を。すべての人に、温かい光を」の実現を目指し活動して参ります。