第1回助成事業 助成団体へのインタビュー。活動に対する想いをお聞きしました。(はらから・ぷち)
こんにちは、サンクゼール財団です。
2025年10月25日に、第1回助成団体の一つである「はらから・ぷち」(長野県飯田市)を訪問しました。
「はらから・ぷち」は、食事の提供に加え、子どもたちが自分の好きなことを見つけるきっかけになるよう工作体験を取り入れているのが特徴です。今回は、年に一度のハロウィンパーティーにお邪魔しました。
子どもたちの笑顔があふれる、温かい時間をレポートします。
はらから・ぷち 概要

【主な活動地域】
長野県飯田市(会場:旧飯田測候所 長野県飯田市馬場町3丁目411)
【開催日時・活動内容】
月2回、子ども対象の工作会を開催しながら食事の提供を実施。長期休暇期間中はお弁当や食事の提供も行う。
【Instagram】
https://www.instagram.com/hara.kara.jun.ko_bo_
【お話をお聞きした人】
神藤絢子さん(はらから・ぷち代表)
子どもたちの笑顔あふれるハロウィンパーティー
この日は、子どもたちが楽しみにしていたハロウィンパーティー。会場には笑い声が響き、早速ゲームが始まります。
①背中でお絵描き伝言ゲーム
4チームに分かれて、お題の絵を背中に描いて、前の人に伝えていくゲーム。単純そうでいて、これが意外と難しい!
「全然わからない!」「なにこれ?もう一回!」…悪戦苦闘しながらも、背中の感覚を頼りに前の人に伝えていきます。
列の先頭の人は、最後に伝わってきた絵が何なのかを答えなければなりません。ところが、お題からはかけ離れた結果に、みんな爆笑。推理合戦も始まり、大盛り上がりです。

②折り紙でコウモリづくり
続いて、ハロウィンらしくコウモリの折り紙に挑戦。神藤さんのお手本を見ながら、みんなで折ります。難しいところはお姉さんが年下の子をフォロー。助け合いながら完成させました。

③ポップコーンUFOキャッチャー
最後は、この日のメインイベント!紙コップとストローで作ったUFOキャッチャーでポップコーンをすくいます。 子どもたちはいっぱい取ろうと夢中です。最後にポップコーンを味付けして、おやつタイム。楽しい時間はあっという間に過ぎていきました。

コロナ禍で生まれた小さな居場所
ハロウィンパーティー終了後に、代表を務める神藤さんにインタビューを行いました。
――神藤さんも子どもたちと一緒に、楽しんで活動されている姿が印象的でした。どのような想いから、「はらから・ぷち」が生まれたのでしょうか?
神藤さん:子ども食堂を始めたのは、コロナ禍で子どもたちが家に閉じこもりがちになっていたことがきっかけです。「みんなで安心して集まれる居場所を作りたい」という思いから、活動をスタートしました。
あとは、私自身も過去にお米などの支援を受けた経験があります。その恩返し、あるいは「恩送り」の気持ちで、困っている方の力になりたいという思いも活動の原動力になっています。
――「はらから・ぷち」という団体名には、どんな意味が込められているのだろう?と気になっていました。なにか由来があるのでしょうか?
神藤さん:「はらから」は、「同じ腹から生まれた兄弟姉妹」という意味です。このあたり(下伊那地域)の小学校でよく歌われている、「下伊那の歌」という歌の歌詞から取りました。
さらに、「ちびっ子たちが集まる場所になってほしい」という思いを込めて、「ぷち」を足して、「はらから・ぷち」と名付けました。
違う家庭の子どもたちが、兄弟姉妹のように仲良く集える場にしたい――そんな願いが込められています。

慌ただしさの中にも、笑顔とにぎやかさがあふれる一日でした。
工作が生む、子どもの新しい可能性
――工作という体験の場を設けているのが「はらから・ぷち」の特徴だと感じました。こうした取り組みを始めた背景には、どのような想いがあったのでしょうか?
神藤さん:私は美容師として働いていましたが、実は美術の教員免許も持っていまして。
その経験を活かして、「はらから・ぷち」では食事の提供だけでなく、子どもたちが自分の好きなことを見つけるきっかけになるよう、工作活動を取り入れています。
その中で、特に印象的なエピソードがあります。ある時、「木でお地蔵さんをつくろう」という企画を行ったんです。すると、それをきっかけに神社仏閣に興味を持つようになった子がいました。
その子はもともと不登校で、あまり家から出ることがなかったそうですが、あちこちのお寺を巡るようになり、ついには善光寺まで足を運んだそうです。さらに、自宅でミニチュアの善光寺を作るほど熱中しました。 その後、神社仏閣を訪れる中で写真撮影にもハマり、腕を磨いていき、地元の写真コンテストで一位を獲得するまでになったそうです(笑)。
これは特殊なケースかもしれませんが、学校に行けなくても、こうした場で得意なことを見つけられた。一つでも、このような事例を生み出せたのは嬉しかったですね。活動に大きな意味があると感じることができました。
――すごいですね!ほかにも、活動を通じて子どもたちにどのような変化が見られたか、印象的なエピソードがあれば教えてください。
神藤さん:最初は子どもたちも恥ずかしがっていて、親がいないと参加できない子もいました。でも、活動を重ねるうちに、親がいない方がかえって楽しめることも分かってきました。
次第に子どもたち同士の交流が生まれ、物の貸し借りや声掛けが自然にできるようになり、年上の子が年下の子の面倒を見る場面も増えました。こうした姿を見るのはとても嬉しいです。色々な子どもがいて、毎回いろんなことが起きるので、自分自身も人間性を鍛えられていますね(笑)。
継続への課題と未来への一歩
――今日の活動を拝見していても、子どもたちが楽しんで参加している様子が印象的でした。一方で、活動を続けるなかで大変なことや悩みはありますか?
神藤さん:正直、収支はマイナス。自己負担で補っています。どうやって収入を確保していこうか…というのが一番の悩みですね。
他団体のお話を聞いていると、「地元の農家さんから余った野菜を提供してもらえている」という事例をよく耳にします。ですが、この地域は農家さんの数自体が少なく、同じような取り組みをするのは簡単ではありません。
余剰の野菜を分けていただけないかと、農家さんのもとへ直接お願いに伺うこともありますが、実際にはなかなか難しいのが現状です。
やむを得ず持ち出しで野菜を購入し、なんとかやりくりしている…。そんな状況ですね。
あとは、「この活動は、本当に困っている人に支援が届いているのだろうか」という思いもあります。ただ、参加者に条件を設けてしまうとかえって行きにくい場所になってしまいます。色々と思うところはありますが、誰でも来やすい場にすることを心がけています。

おわりに
子どもたちの笑顔と笑い声に包まれたハロウィンパーティー。ゲームや工作を通じて、自然な交流と助け合いが生まれる温かな時間となりました。
「はらから・ぷち」は、食事だけでなく、子どもたちが自分の好きなことを見つけられる居場所です。この取組みを通じて、子どもたちが「食べる」こと、そして「作る」楽しさを知り、食を通じて広がる学びと笑顔が、これからも地域に根付いていくことを願っています。
▼はらから・ぷち Instagram
https://www.instagram.com/hara.kara.jun.ko_bo_

